業務改善で適切に問題点の洗い出しをする方法とは?押さえておきたい2つのポイント
業務改善を行う際は、会社や業務の問題点を明確にすることが重要です。
しかし問題点は1つとは限らないため、多角的に物事を見て問題点をくまなく洗い出す必要があり、場合によっては時間や労力が必要になることも。
また、問題点がルーティン業務の中にある場合や、チームや業務で何らかのトラブルが生じている場合は問題点を洗い出すのはなかなか難しいものです。
そこで本記事では、問題点の洗い出しが重要とされる理由や、より効率的に洗い出しを進める方法とそのポイントについてまとめました。
目次
業務改善で問題点の洗い出しが重要視される理由
業務改善で問題点の洗い出しが重要視される理由は、問題点の洗い出しが適切にされていないと業務改善を行っても成果が得づらくなり、取り組み自体があまり意味のないものになってしまうからです。
また、問題点の洗い出しをしっかりと行っていないと、その次の改善方法の検討がしづらくなるほか、行き当たりばったりの業務改善が行われ、あまり意味がない取り組みになるリスクが高くなります。
そこで次の章からは、問題点の洗い出しを適切に行う方法やフレームワークをご紹介します。ぜひ活用して業務改善を円滑に進めていきましょう。
業務改善で問題点の洗い出しをする方法
「問題点の洗い出し」は、業務改善の成果につながる重要なポイントです。
なお、業務改善は以下のステップで進めていきます。
①現状の把握
②問題点の洗い出し・優先順位付け
③業務改善方法の検討
④業務改善の計画の作成
⑤業務改善案の実施
⑥業務改善の効果確認
業務改善の過程の中で「問題点の洗い出し」は②番目。この時に業務の問題点を洗い出して、その次のステップ③の「業務改善方法の検討」で洗い出した問題点に対して、どのような方法で改善していくのかを検討します。
ここでは、「ステップ②問題点の洗い出し」の具体的な方法についてまとめました。
社内で意見を集める・ヒアリング
業務改善において、現場の声を聞くことは非常に重要です。
さまざまな役職の人やチームから意見を集めたり、直接対面によるヒアリングをしたりすることで問題点が見えてきます。
なるべく多くの従業員から意見を集め、浮き彫りになる問題点に目を向けて対策をとることが業務改善の成功につながります。
顧客にアンケートを取る
自社のサービスや製品を顧客に提供している場合、実際にサービスや製品を使用している顧客にアンケートをとることで問題や課題が明らかになることがあります。
普段から顧客に接する職種であったとしても、サービスを受ける側である顧客がどんな不満や要望を持っているのかは、推測しづらいものです。
そのため、アンケートで顧客のリアルな声を聞き、さまざまな意見を募ることで問題点を把握することが重要です。
そして、それに対して適切な改善を行えば、業務改善だけでなく顧客の不満解消やサービスの向上にもつながって一石二鳥です。
うまくいっている会社を分析する
自社の製品やサービスを競合他者と比較して分析をすることで、問題点の洗い出しが可能になり、業務改善で大きな成果が得られやすくなります。
具体的には、競合他社のサービスの強みや弱み、特徴や戦略などを分析する競合調査という方法があり、これはライバル会社との差別化戦略を立てる際にも有効です。
競合調査の方法は、ホームページや関連サイトをリサーチしたり、競合企業に直接訪問して営業をしたりといった方法がありますが、さまざまな情報を集約するとなると時間がかかる上に、膨大かつ多様なデータになるため、次にご紹介するフレームワークや分析ツールを活用して漏れなく効率的に進めるのがおすすめです。
フレームワークを活用する
問題点を洗い出す方法として、フレームワークを活用することもひとつの方法です。
フレームワークとは「枠組み」のことで、この枠組みにあてはめて物事を考えることで問題点が分析しやすくなり、業務改善が円滑に進みやすくなります。
なお、問題点の洗い出しでよく活用されているフレームワークは次の通りです。
ロジックツリー
「ロジックツリー」とは、ある問題が発生した際に、物事を分解して洗い出すことができ、多くの視点から問題点を分析する場合などに適しています。
ツリー状に展開していく手法のため全体像が把握しやすく、原因の根本を発見することが簡単にできるのが特徴で、視覚的にも何が原因なのかが把握しやすいというメリットがあります。
As is/To be
「As is/To be(アズイズトゥービー)」とは、現状と理想を可視化するためのフレームワークです。現状と理想とのギャップを把握することで、問題点の洗い出しがしやすくなります。
例えば、とある企業の現状と理想を可視化すると以下のようになります。
【As is/To beの例】
As is(現状) | To be(あるべき理想の姿) |
---|---|
・売上3,000万円/月 ・社員数40名 ・複雑な要件のクライアント様の対応に苦手意識がある | ・売上8,000万円/月 ・社員数80名 ・複雑な要件のクライアント様の案件を1人で対応できる |
このように「現状の状態」と「理想の状態」の差分がギャップになり、それが問題点になります。
問題点が明らかになったら、それらを解決するための具体的な行動を考えて業務改善の成果につなげましょう。
なぜなぜ分析
「なぜなぜ分析」は、トヨタ自動車で活用されている問題解決のためのフレームワークです。
問題を発見したら「なぜ?」を5回繰り返すことで、問題の原因を洗い出すことが可能になります。このフレームワークを活用する際は、問題をできる限り具体的にするのがポイント。具体的な方法は次の通りです。
【なぜなぜ分析の例】
問題:社員のAさんが商品の発注ミスを起こしてしまった | |
---|---|
それはなぜ? | Aさんは数値の入力ミスに気が付かなかった |
それはなぜ? | 発注業務に関する確認が甘い |
それはなぜ? | チェックのフローやルールがない |
それはなぜ? | 現場のフローやルール設計は店長に任せっきりで属人的 |
それはなぜ? | 全点共有のマニュアルがない |
このように、抽象的な表現を避けなるべく具体的にすることで、問題点が分析しやすくなり解決方法も見出せるようになります。
関連記事:業務改善とは?基本的なフローと失敗しないためのポイント
業務改善で問題点の洗い出しをするときのポイント
問題点の洗い出しをする上で、押さえておきたいポイントを2つご紹介します。
洗い出した問題点に対して優先順位をつける
会社や業務で多数の問題点がある場合は、本当に解決すべき問題であるかどうかを熟考したり、重要度や緊急度などを見極めて優先順位をつけたりして効率的に進めることが大切です。
洗い出された問題点にはあらゆるものが存在するかと思いますが、例えばその中で「今すぐに手を打たなければならない問題」があったとすると、それは緊急かつ重要な問題として最優先で解決策を立てる必要があります。
優先順位の付け方については「タスク管理を円滑にする分類法や考え方」を参考にしてください。
洗い出した問題点を解決することで得られる利点を把握する
業務改善に取り組み、問題点の洗い出しをするとどのような利点があるのかを明確に把握することで、改善を進めるためのモチベーションにつながります。
業務改善に取り組むことで得られる代表的な利点は次の通りです。
- 人件費や固定費などのコスト削減
- 製品やサービスの品質向上
- 社員満足度の向上
このように、仕事の問題点を適切に洗い出して解決に導くことで上記のような大きな利点が得られます。これは業務改善を行う目的でもあるため、会社全体で認識しておくことが重要です。
業務改善の問題点を適切に洗い出すにはコミュニケーションの活性化が鍵
問題点の洗い出しを適切に行い、業務改善を成功させるには、従業員同士のコミュニケーションを活性化し、個人それぞれが持つ「もっとこうだったらいいのに」という意見を言いやすい雰囲気にすることが大切です。
例えば業務で滞っている部分や、その他業務に関する情報の共有が頻繁に行われれば、問題点の洗い出しがスムーズに進むほか、信頼関係の構築やモチベーションアップにもつながります。
さらに、部署を跨いで情報を広く共有し、コミュニケーションを図ることで、各自が持つノウハウを会社の財産に変えることも可能になります。
このように、コミュニケーションを活性化させると業務改善が円滑に進むのはもちろん、そのほかにもさまざまなメリットが得られやすくなるため、一度社内のコミュニケーションについて見直してみてはいかがでしょうか?
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