オンプレミスとは?メリット・デメリットについても解説
近年、クラウドの仕組みを活用する企業が増加している一方で、セキュリティやカスタマイズ性の高さなどにメリットがあるオンプレミスの運用形態が再評価されています。
しかし再評価されているとはいえ、オンプレミスの導入には高い初期投資や保守・メンテナンスに関するコストがかかるなどのデメリットも存在するため、オンプレミスの導入や回帰を検討する場合は、メリット・デメリットの双方を理解することが重要です。
そこでこの記事では、オンプレミスのメリット・デメリットを紹介すると共に、オンプレミスと比較されることが多いクラウドについても触れていきます。
目次
オンプレミスとは?
オンプレミスとは、企業がソフトウェアやサーバーなどの情報システムを自社内で独自に設置・管理する運用形態を指し、クラウドが主流でなかった時代に一般的に利用されていました。
これとは対照的に、ユーザーがソフトウェアやサーバーを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な分だけ利用する形態のことをクラウドといいます。オンプレミスとは対義語とも言えるでしょう。
オンプレミスのメリット
ここでは、オンプレミスのメリットについてご紹介します。
オンプレミスのメリット①高度なセキュリティ
オンプレミスの大きなメリットは、高度なセキュリティが実現できるということです。
具体的には、オンプレミスはインフラやシステム構築などの物理的な機器が自社内にあるため、アクセス制御やデータの管理をより細かく行うことができます。
これにより、機密情報や重要データの完全性が確保されます。
オンプレミスのメリット②カスタマイズしやすい
オンプレミスは、自社でITインフラを構築するため、業務内容などに合わせてシステムやアプリケーションを自由にカスタマイズできることが大きなメリットです。
また、オンプレミスでは、新しい機能の導入やアップデートも可能であり、変化の激しいビジネスシーンにも適応することができます。
これにより、企業は自社独自の要件に最適化したシステムを構築することができるでしょう。
オンプレミスのメリット③既存システムとの連携がしやすい
既存のシステムとの連携がしやすいのも、オンプレミスのメリットです。
例えば、企業が長年にわたって構築してきたシステムと連携できたり、新しい機能の導入と既存システムが連携できたりするのは、オンプレミスのメリットの1つと言えるでしょう。
オンプレミスのデメリット
ここでは、オンプレミスのデメリットについてご紹介します。
オンプレミスのデメリット①導入コストが高い
オンプレミスの導入には、物理的なサーバー、ネットワーク機器、ソフトウェアライセンスなどの購入費用がかかるほか、これらを設置・運用するためのスペースも必要になるため、数百万円〜数千万円かかることも珍しくありません。
また社内にエンジニアがいない場合は、システム運用に詳しい専門家を雇うことも検討しなければなりません。
これらの理由から、オンプレミスの導入は企業にとってコスト的に大きな負担となる場合があります。
オンプレミスのデメリット②保守・運営は基本的に自社で行う必要がある
オンプレミスは、自社でITインフラを構築するため、システムやネットワークの保守・運営は基本的に自社で行う必要があります。
また、もしトラブルが発生した場合は、社内の技術者が問題を診断し、迅速に解決するスキルも必須となるでしょう。
そのため、高度な技術スキルを持つ経験豊富な専門家が不可欠であり、これに伴う人件費がかかる上、これらの業務には一定の時間や労力がかかるという点がデメリットとなります。
オンプレミスのデメリット③システムの構築期間が長い
オンプレミスの導入においては、計画、サーバー機器などの調達、システム構築など、複数の段階があるため、これらのプロセスに一定の時間がかかる点もデメリットの一つと言えるでしょう
また、オンプレミスは高度なカスタマイズが可能である一方で、システム要件が複雑になりがちであり、導入決定から運用開始まで数カ月かかることもよくあります。
そのため、素早い対応が必要なケースにおいては、システム構築までの時間の長さがデメリットとなることもあるでしょう。
オンプレミスとよく比較されるクラウドの特長
クラウドは、インターネットを介して外部のクラウド事業者が提供するITサービスを利用する運用方法です。
以下は、クラウドの主な特徴です。
- コスト削減が可能
- 導入に要する労力と時間の削減
- 運用・保守の負荷軽減
- 物理的な障害への対応をクラウド事業者に委託
以上のように、クラウドはオンプレミスとは異なり、自社でシステム構築用のリソースを用意する必要がなく、外部のクラウド事業者が提供するITサービスを利用することで導入が可能となります。
またクラウドは、導入に要する労力の削減だけでなく、障害への対応もクラウド事業者に委ねることができるため、運用・保守の負荷を軽減することもできます。これにより、企業は面倒な作業から解放され、よりコアな業務に集中できるメリットがあります。
企業はこれらの特徴を考慮して、自社のニーズに適した運用方法を検討することが重要です。
オンプレミスとクラウドの利点を組み合わせた「ホスティング型プライベートクラウド」という選択肢も
オンプレミスの主なメリットは、専用リソースや高いセキュリティを確保できる一方で、その導入には初期のインフラ構築に伴う手間や費用が発生するというデメリットが挙げられます。
このデメリットを解消できる可能性があるのが「ホスティング型プライベートクラウド」です。
「ホスティング型プライベートクラウド」とは、クラウド事業者から提供される専用のプライベートクラウド環境を、企業が専用で利用する運用形態のことを指します。
この仕組みにより、オンプレミスのように専用リソースと高いセキュリティを確保しながらも、自社でインフラ構築をする手間を削減することができます。
このように、ホスティング型プライベートクラウドは、クラウドの利点を享受しながらも、オンプレミスのようにセキュリティやコンプライアンスの要件を満たすことができるため、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。
機密データや個人情報を安全に管理するための専用のプライベートクラウドが必要でありつつ、初期費用や導入にかかる労力を最小限に抑えたい…などとお考えの場合は、「ホスティング型プライベートクラウド」を利用したサービスの使用を検討してみてはいかがでしょうか。
自社独自のプラットフォームが構築できる「プライベートクラウド版SONR」
ホスティング型プライベートクラウドの仕組みを利用したプライベートクラウド版SONRは、自社専用のサーバーで運用するためセキュリティも高く、業務に合わせたオリジナル機能が追加できるなど、独自プラットフォームが構築できるパッケージとなっています。
このプライベートクラウド版SONRには、次の5つの特徴があります。
- 自社独自のコミュニケーションインフラを自由に構築できる
- 企業のニーズに合わせた機能を追加
- 既存ツールと連携が可能
- スマホアプリで外出先からアクセス
- 自社のセキュリティポリシーに合わせた運用
「自社のセキュリティ要件に合わせた運用がしたい」
「すべてのメッセージログを自社のサーバーで管理したい」
「クラウドに関する知識があまりないため具体的なアドバイスがほしい」
このようにお考えでしたら、まずはSONRにご相談ください。クラウドのプロによるアドバイスやサポートで、お悩みや課題点を解決することができます。