オンプレミスが時代遅れだと言われる理由
企業へ新たにサーバーを導入する際に「オンプレミスとクラウドのどちらが自社に適しているのか…」などと悩まれている企業は少なくありません。そんな時にネット上の「オンプレミスは時代遅れだからクラウドを利用した方がいい」という意見を目にすると、「クラウドの方がいいのかな…」と思われる担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かにクラウドには、オンプレミスと比べて運用・保守の負荷が軽減できるなど多くの利点がありますが、それが必ずしもオンプレミスの利用を否定するものではありません。
では、一体なぜ「オンプレミスは時代遅れ」だと言われてしまうのでしょうか。
そこでこの記事では、オンプレミスが時代遅れだと言われる理由について分かりやすくまとめるとともに、オンプレミスとよく比較されるクラウドとの違いについてもご紹介します。
目次
オンプレミスが時代遅れだと言われる理由
オンプレミスとは、システムの運用やインフラの構築に必要なサーバーやネットワーク機器などを自社で所有・管理する形態のことです。
このオンプレミスは、柔軟なカスタマイズが可能であり、自社の要件に応じたセキュリティが構築できるなどといった多くの利点があります。しかし、なぜオンプレミスは時代遅れと見なされているのでしょうか。
以下では、その理由についてご説明します。
オンプレミスが時代遅れだと言われる理由①運用コストがかかる
オンプレミスが時代遅れだと言われる主な理由の一つは、運用コストがかかることです。
オンプレミスでは、システム構築に必要なサーバー機器などの物理的なITリソースを自社で準備し、それを運用・保守する際には、サーバールームの維持にかかる光熱費、さらにサーバーのメンテナンスやトラブルに対応できるエンジニアの人件費なども検討しなければなりません。
一方で近年増加しているクラウドでは、これらのコストをクラウドサービス提供事業者が負担するため、自社は運用・保守などにかかるコストを大幅に削減することができます。
つまり、企業のコスト削減が実現するクラウドサービスが登場しているにもかかわらず、運用コストの高いオンプレミスを選択すること自体が「時代遅れ」だとされてしまう理由の一つになってしまっているようです。
オンプレミスが時代遅れだと言われる理由②システム構築までに時間を要する
オンプレミスでは、サーバーの構築や確認、アプリケーションのインストールや各種検証など、運用に至るまでに多くのプロセスが必要となります。
そのため、システムの構築には時間がかかる場合があります。特に大規模なカスタマイズが必要な場合は、準備に数カ月を要することもあるでしょう。
また、オンプレミスの利点である既存システムとの連携も、運用が開始されればスムーズになりますが、システムの管理、保守、アップデート、セキュリティの強化などを自社で行うため、それに伴うコストや労力がかさむことがあります。
オンプレミスが時代遅れだと言われる理由③障害への対応は自社で行う必要がある
オンプレミスでは、ネットワーク機器の障害などの問題が発生した場合は、すべての対応を自社で行う必要があります。
例えば、夜間に障害が発生した場合でも迅速な対応が求められるため、情報セキュリティやネットワーク機器に関する高度な専門知識を持つ社内の人材が必要とされます。
さらに、地震などの自然災害が発生した場合、オンプレミスではサーバーが破損し、内部データが失われるリスクも。そのため、災害復旧には遠隔地に機器の設置場所を用意するなど、多大な労力が必要となる可能性もあります。
オンプレミスだからこその利点とは?
上記では、オンプレミスが時代遅れと言われる理由についてお伝えしましたが、実際にはオンプレミスには多くの利点も存在します。
以下では、オンプレミスの利点についてご紹介します。
セキュリティ性が高い
オンプレミスでは、企業は自身のセキュリティポリシーに基づいて独自の対策が実施できるため、より高いセキュリティレベルを実現することができます。
具体的には、外部からのアクセスを制限し、企業内でシステムが管理できるため、システムの構築から運用までを安全に行うことができます。
また、機密情報などを取り扱うシステムやバックアップデータを企業内に配置することで、情報の安全性を確保できます。
カスタマイズ性が高い
オンプレミスでは、企業独自の機能の追加や既存システムとの連携、容量の追加などを自由に設計することができます。これにより、業務をより効率的に進めることができます。
例えば、高度な処理能力が必要なシステムや、既存システムとの連携を行う際にも、オンプレミスでは柔軟なカスタマイズが可能です。
社内の他のシステムと連携しやすい
オンプレミスは仕様を自由に決められることから、既存システムと互換性のあるシステムが構築できます。
例えば、勤怠管理に専用アプリケーションを使用しているけれども、将来的には新機能としてチャットツールを導入したいといったケースです。
これらのシステムを連携させることで、業務効率が向上し、人為的なミスを防ぐことができます。クラウド環境では連携が困難な場合もありますが、多くのオンプレミスではシステム連携が柔軟に行えるといった利点があります。
オンプレミスとよく比較されるクラウドの利点
クラウドは、外部のクラウド事業者が提供するITサービスをインターネット経由で利用するシステム運用方法であり、オンプレミスとの対義語としても使用されています。
クラウドの具体的な利点は以下の通りです。
- コストが削減できる
- 導入にかかる労力と時間が削減できる
- 運用・保守の負荷が軽減できる
- 物理的な障害対応をクラウド事業者に任せられる
このように、クラウドはオンプレミスとは異なり、自社でシステム構築用のリソースを用意する必要がなく、外部のクラウド事業者が提供するITサービスを利用することで導入が実現します。
またクラウドは、導入に要する労力を削減し、運用・保守の負荷を軽減するだけでなく、障害への対応もクラウド事業者に委ねることができます。そのため、自社はこれらの面倒な作業から解放される利点があります。
企業はこれらの利点を考慮して、自社のニーズに合ったクラウド戦略を検討することが重要です。
ホスティング型プライベートクラウドという選択肢
オンプレミスとクラウドを比較すると、クラウドの方がコストを削減できたり柔軟なリソース増減が可能であったり、新技術への迅速な対応ができるなど、多くの利点があることが明らかになります。
また、近年では事業の拡大やBCP対策に伴い、クラウドサービスを導入する企業が増えてきており、クラウドを運用基盤とするシステムを最優先で検討すべきという「クラウドファースト」が一般的になりつつあります。
もしあなたの企業がまだクラウドを導入していないのであれば、ビジネスや利用しているシステムを見直し、クラウドサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、業務フローやセキュリティポリシー上の理由で完全なクラウド化が不可能なシステムもあるかもしれません。
そのような場合には、自社専用のクラウド環境が構築できる「ホスティング型プライベートクラウド」を選択するのも一つの手です。
「機密データや個人情報を安全に管理したい」
「専用のプライベートクラウドが必要だが、保守管理に時間をかけたくない」
「初期費用や導入にかかる労力を最小限にしたい」
…などで悩まれている場合は、「ホスティング型プライベートクラウド」を利用したサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
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