ビジネスチャットツールのセキュリティにリスクはある?安全性やセキュリティ機能について
テレワークの推進や働き方改革、社内コミュニケーション円滑化のため、近年ビジネスチャットツールを導入する企業が増えています。
ビジネスチャットツールは、メールよりも情報の伝達が迅速であることや情報共有のしやすさ、手軽なコミュニケーションができることから普及しています。
しかし、導入を検討中の企業のなかには「ビジネスチャットツールのセキュリティは大丈夫なのだろうか?」「情報漏洩のリスクはないだろうか」「社内の重要な情報をチャット上でやり取りしても良いものだろうか」と不安に感じているケースもあるのではないでしょうか。
安心して使用するためにも、ビジネスチャットツールのセキュリティ対策について知っておきたいものです。
本記事では、ビジネスチャットツールのセキュリティ対策は万全なのか、どのような機能が搭載されているのかについてご紹介するとともに、自社で行うべきセキュリティ対策の教育についてもまとめてみました。
ビジネスチャットツールの導入を検討している方は是非参考にしてみてください。
目次
ビジネスチャットツールとは?
ビジネスチャットツールとは、ビジネス向けに作られたコミュニケーションツールのこと。
チャット形式で、会話するようにメッセージのやり取りができるため、メールよりも情報の伝達が早いのが特徴です。
また、個人間のやり取りだけでなく、複数人でやり取りもできるため、グループ単位で情報や資料を共有をするのにも便利です。
情報伝達の速さや情報共有の利便性、さらにコミュニケーションの活性化を目的として、近年ビジネスチャットツールを導入する企業が増加しています。
ビジネスチャットツールのセキュリティレベルは高い
業務連絡や情報共有に便利なビジネスチャットツールだからこそ、「自社の機密情報や重要な資料をビジネスチャット上で安易にやり取りしても良いのか」というセキュリティ面を心配する声もあるでしょう。
特にクラウド型のビジネスチャットの場合、同じビジネスチャットを利用している他の企業とサーバーを共有する環境であることから、オンプレミス型のビジネスチャットと比較するとリスクが高いようにイメージされるかもしれません。
しかし、多くのビジネスチャットツールはビジネスコミュニケーションのために作られたITツールであるため、セキュリティの水準は高く、さまざまな機能が搭載されています。
例えば、ビジネスチャットツールの多くは通信の暗号化や端末認証など、不正アクセスや情報の漏洩を防ぐことを目的としたセキュリティ機能が搭載されているのが一般的です。
行政機関や金融機関といった重要な情報を扱う場所でも、ビジネスチャットツールが使われているということからも、セキュリティレベルの高さが伺えます。
ビジネスチャットツールのセキュリティ機能とは
ビジネスチャットツールのセキュリティレベルは高いと述べましたが、具体的にどのようなセキュリティ機能が搭載されているのでしょうか?
ビジネスチャットツールに搭載されていることが多いセキュリティ機能について詳しく解説します。
通信の暗号化
ビジネスチャットツールのセキュリティ機能の一つに通信の暗号化があります。
通信の暗号化とは、データの文字列を加工・暗号化すること。
仕組みとしては、元のデータを鍵によって全く異なるデータに変え(暗号化)、暗号化したデータを元のデータに戻す場合は、再度鍵を使って戻します(復号)。
この仕組みによって、万が一ハッキング等の不正なアクセスがあったとしても、データはランダムな文字列で表示されるため、第三者による解読を防止し、情報漏洩のリスクが低減できます。
この通信の暗号化はビジネスチャットツールだけでなく、メールやWebサイトといったデータを送受信する場面において一般的に使用されています。
端末認証
端末認証は、操作するパソコンやスマートフォン、タブレットといったデバイスが、正当なユーザーによって使用されているかを確認するセキュリティの手段です。
個人情報や機密情報の保護、アカウントの不正利用の防止など、さまざまな目的で利用されており、具体的には、パスワードやパターンロック、生体認証(指紋認証や顔認証)などが用いられます。
これによって不正アクセスを防ぎ、端末内にある情報やデータを保護します。
IPアドレスによるアクセス制限
IPアドレスによるアクセス制限も、ビジネスチャットツールのセキュリティ機能として搭載されています。
IPアドレス(Internet Protocol address)とは、インターネット上の通信で使われる住所のようなもので、端末ごとに個別で設定されます。
インターネット上でページを閲覧したり、データの送受信をしたりする時は、データの送信元・送信先を識別する必要があり、その識別に使われる番号がIPアドレスです。
IPアドレス制限は、特定のIPアドレスからしかアクセスができないように制限するセキュリティ手段のことで、なりすましや第三者の不正アクセス防止に役立ちます。
2段階認証
2段階認証は、ビジネスチャットにログインする際、パスワードを入力した後、続けて使用デバイスに紐づいた認証コードを入力することで、不正なログインを防止するセキュリティ機能です。
要するに、本人確認を2回行うセキュリティの手段。
例えば、ログインIDとパスワードを入力後、所有のデバイス宛てに送信されたSMSから認証コードを取得し、指定の画面に入力するといった認証方法があります。
万が一、他人にログインID・パスワードが知られた場合でも、2度目の本人確認があるため、なりすまし防止が可能です。
ログ管理機能
ビジネスチャットツールのセキュリティ機能として、ログ管理機能が搭載されているものもあります。
ログ管理機能は、チャット上のやり取りやアクセスといった、さまざまな情報の履歴を検索できる機能のことで、管理者権限を持つ人しか操作ができません。
このログ管理機能を使うことで、社員が送信したメッセージだけでなく、削除したメッセージを確認するといったことも可能です。
メッセージや共有されたデータを管理者が確認できることで、機密情報や業務進捗に関する情報漏洩のリスクが減らせたり、問題があった場合の原因究明に役立ったりします。
また、ログ管理をしている旨を社員に周知することで「やり取りやアクセス状況が管理されている」という意識づけがされ、結果的にセキュリティリスクの低減につながるという効果も期待できます。
ビジネスチャットツールのセキュリティリスクはゼロではない
ビジネスチャットツールの優れたセキュリティ機能によって、情報漏洩などのリスクは減らせますが、リスクをゼロにすることは困難なものです。
というのも、いくら高いセキュリティ機能を搭載しているものであっても、社員個人の使い方によっては情報漏洩のリスクが生じてしまうためです。
それでは、具体的にどのようなセキュリティリスクがあるのか、詳しく見ていきましょう。
アカウントの乗っ取り
ビジネスチャットツールのIDやパスワードが盗み見られた、あるいは業務に使うデバイスを紛失・盗難によって悪用されてしまったという場合、アカウントの乗っ取りが起こる恐れがあります。
その結果、ビジネスチャット上でやり取りした情報が見られたり、抜き取られたりする危険性があるほか、個人のプライバシー侵害や企業の機密情報漏洩といった大きなトラブルが発生する可能性も。
このアカウント乗っ取りに関しては、パスワードを複雑なものにする、かつ定期的に変更するといった個人単位での対策やセキュリティ対策ソフトといったツール面での対策が有効だとされています。
ウイルス感染
ウイルス感染もセキュリティリスクの一つです。なお、感染経路としては以下のようなものがあります。
- 安全性の低いフリーWi-Fiに接続する
- 提供元が不明なアプリをダウンロードする
- メールの添付ファイルやリンクをよく確認せず開く
ウイルスに感染してしまうと、個人情報の流出や遠隔操作の攻撃を受けるといった危険性があります。
そのため、公共のフリーWi-Fiには接続しない、公式以外のアプリはインストールしない、メールの添付ファイルはスキャンしてから開くといった対策が必要です。
誤送信による情報漏洩
誤送信によって情報漏洩が起こることもセキュリティリスクの一つ。
企業の機密情報やファイルを関係のない社外のメンバーに誤って送ってしまった、個人情報を含む情報をグループトークルームに送ってしまったなどのケースが挙げられます。
ビジネスチャットの場合、送信したメッセージの取り消し機能があるとはいえ、誤送信を防ぐために、宛先が間違っていないか、添付データや内容が間違ってないかという確認は必要でしょう。
シャドーIT
シャドーITとは、企業側が管理していないデジタル端末やサービスを社員が勝手に利用すること。
プライベートで使用しているデバイスやメッセージアプリ、クラウドサービス等が挙げられます。
私用のデバイスは、企業で管理しているものよりもセキュリティレベルが高くないため、ウイルス感染や情報漏洩のリスクがあります。
過去には、業務に関する情報を、業務用のパソコンから私用のパソコンに移した結果、外部から遠隔操作をされてしまい、情報が漏洩した可能性があるといった事例があります。
シャドーITによるリスクを減らすためにも、業務においては許可されたデバイス以外は使用しないという対策は必要でしょう。
自社でビジネスチャットツールのセキュリティ対策の教育を行う
ビジネスチャットツールを安心して活用するために、社員へのセキュリティに関する教育やルール設定は必須です。
セキュリティに関する教育を実施することで、人為的なミスを減らすとともに、ビジネスチャットツールのセキュリティをより強固なものにでき、前述したセキュリティリスクを減らせる可能性があるためです。
例えば以下のようなセキュリティに関するルール設定や徹底した教育は有効でしょう。
- 業務用の端末を社外に持ち出す場合は肌身離さず持っておく
- フリーWi-Fiを使用しない
- 端末に複雑なパスコードロックをかけておく
- 定期的にログインパスワードを変更する
- メッセージの送信前に送信先に誤りがないかを確認
- 使用許可が出ていないデバイスは業務に使用しない
ビジネスチャットツールに搭載されたセキュリティ機能に頼るだけではなく、自社でできるセキュリティ対策で安全な運用を行ないましょう。
セキュリティ機能が充実しているビジネスチャットツールを活用しよう
ビジネスチャットツールはビジネスでの活用を前提に作られているため、セキュリティレベルが高いコミュニケーションツールです。
多くのツールにはIPアドレス制限や端末認証といったセキュリティ機能が搭載されていますが、さらにセキュリティを強化するためには、社員一人一人へのセキュリティに関する教育も必要です。
ビジネスチャットツールを導入する際は、搭載されているセキュリティ機能に注目するとともに、自社でのルール設定を検討し、安全に運用できる体制を整えましょう。
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