テレワークが孤独にならない工夫
新型コロナ感染対策で企業のテレワーク導入が急速に進みました。インターネットを活用し業務の効率化や場所にとらわれない柔軟な働き方が広まる一方、テレワークに不安を感じる人も増えています。ネット上では「テレワーク鬱」という言葉も見られ、在宅勤務者の精神的な負担がうかがえます。
この記事ではテレワークの孤独感と解消方法について考えてみました。
目次
テレワークの孤独感とは?
在宅勤務の悩みでよく挙げられるのが「孤独感」です。
孤独感と聞くと寂しがりの人のことと思われがちですが、実際は在宅勤務のほうが快適と思っていたのに数ヶ月、一年と続けていく内に不安や孤独を感じるようになったという人もいます。テレワークの孤独感は在宅勤務開始直後ではあまり感じられず、期間が長くなるにつれて深刻になっていく傾向があります。
なぜテレワークだと孤独に感じるのでしょうか。
それは「上司や同僚に見てもらえていないかも」「自分の仕事を評価してもらえないんじゃないか」といった不安や、十分な情報共有がされずチームから孤立しているように感じることが原因です。仕事や将来のキャリアに関する漠然とした不安が孤独感へとつながっているのです。
こういった社員の孤独感や不安をそのままにしておくとメンタルに負荷がかかって作業効率が下がったり会社への帰属意識が低下したりするほか、離職へと繋がっていきます。人事やテレワークする部下を抱える上司にとっても放置できない問題です。
それではテレワークと出社では何が違うのでしょうか。
テレワークと出社の違い
会社に出社すれば誰かしらと顔を合わせるため人と会わないことはありません。職場では仕事以外のちょっとした雑談など、何気ない会話からストレスが和らぐこともあります。
しかし、在宅勤務ではこういったコミュニケーションを取る機会がなくなるため、人間関係が築きにくくなります。
社員の自宅環境によってはオフィスよりも狭い空間に一日中閉じこもりきり、誰とも会話せず黙々と仕事をするという状況も有り得ます。特にコロナ禍では人に会いに行きづらいため余計にストレスを感じやすくなっています。
テレワークの悪影響を受けやすい若手社員
出社時は上司の様子を見てタイミングを見計って質問できていたのが、テレワークでお互いの状況が見えにくくなったことで声をかけることの心理的なハードルが高くなり、不明点があっても質問しづらくなります。上司から指導されながら仕事を進めることの多い若手社員は特にテレワークになってから仕事がやりづらくなったと感じるようです。
また、仕事に必要なやり取りのみになることで仕事中は上司から注意ばかりされるようになってモチベーションを保ちにくくなったという声もあります。
まだらテレワーク
在宅勤務者と出社者が混在する「まだらテレワーク」は特に注意が必要です。
在宅勤務者は自分だけが自宅から参加している会議で他のメンバーがオフィスに集まっている様子を見て在宅勤務との差を実感します。出社している社員同士で話したことの情報伝達が不十分だったり、ウェブ会議でオフィスにいるメンバーたちが中心になって話を進めて会話に入りづらかったりすると不安が増し、チームから孤立しているように感じます。
特に在宅勤務者の社歴が浅く社内での人間関係を十分に築けていない場合、孤独感はより増します。
一方で出社している社員にも在宅勤務者がいると意思の疎通が図りにくい、本当に仕事をやってくれているのか不安といった不満を持っています。これが在宅勤務者に伝わると人間関係がギスギスする原因にもなります。
お互いの不安や不満があることを念頭に置き、双方のフォローをすることが重要です。
テレワークの孤独感をどう解消するか
テレワークの孤独感はコミュニケーション不足、情報共有不足によって起きています。それではいかにコミュニケーションの量と質を高めていけば良いのでしょうか。
コミュニケーション量を増やす方法
テレワークでのコミュニケーションはチャットツールやウェブ会議が中心になり、対面の時よりも声をかけるハードルが高くなります。そのため意図的にコミュニケーションの機会を増やす工夫が必要です。
オンライン朝礼
テレワークで朝礼を廃止するのではなく、オンラインで朝礼の開催を続けましょう。その際、各自のスケジュールの共有や相談を共有するようにするうと議論が活発になりやすいです。あまり長引きすぎると朝礼の負担感が大きくなるので10分程度で打ち切り、続きは関係者で話し合うように切り替えると良いです。
チャットで雑談
社内の業務連絡や情報共有とは別に雑談用の場を作り「お昼に行ってきます」「飼い猫に椅子を取られそう」といったちょっとした会話をするようにしてみましょう。最初は上司が率先して投稿するとフランクな場として共有され活性化しやすくなります。雑談の機会があると人となりが知れて人間関係を築きやすくなり、やり取りが必要最低限なもののみといったことが避けられます。
メンター制度
新入社員や若手社員を年齢や社歴の近い先輩がサポートするメンター制度も効果的です。メンターとはメインの業務連絡を行うツールとは別のチャットツールなどでやり取りするようにすると、些細なことでも相談しやすくなります。また相談される側にとっても頼られているという意識が生まれ、相談を通して信頼関係を築き、チームワークが良くなることが期待できます。
オンラインでの1on1ミーティング
1on1ミーティングとは面談とは違いフランクに部下の話を聞く場で、15〜30分程度と短い時間で行うため開催しやすいです。週1回〜隔週の頻度で定期的に行うことが効果的です。
雑談も生まれやすく、部下の業務以外のスキルや将来に対する不安などを吸い上げることができます。
コミュニケーションの質を高める方法
曖昧な表現はしない
文字ベースでのやり取りでは対面時より伝えられる情報が限定的になるため、曖昧な表現では伝わりません。特にチャットでは早く伝えようと焦るあまり言葉足らずになりがちです。兵は拙速を尊ぶと言いますが、不足した情報ではかえって混乱を招くので、「何のことを」「誰が」「なぜ」「いつ」といった情報を明示し確実に伝えるように心がけましょう。
冷たくならないよう表現に気をつける
対面では表情や声のトーン、話の間、態度といった情報から感情を読み取っていますが、文章では伝わりません。ちょっとしたことが思いがけず冷たく伝わることもあります。
特に指摘は思ったよりも厳しく捉えられやすいため注意が必要です。否定的な言葉や答えようがない言い方をしている場合は意識的に肯定的な言葉へ置き換えましょう。
上手く伝わらない時は手段を変える
文字ではニュアンスが伝わらない場合はビデオチャット、口頭だけではトラブルになりそうならメールに残すなど、目的に合わせてツールを変えるのも手です。
伝える内容を意識する
テレワークでも部下の仕事を見ていると伝えることも大切です。「この間のお客様の対応良かったよ」「前に相談された件どうなった?」と声かけすることで部下にちゃんと仕事を見られていると伝わり、評価面の不安が解消されます。
いずれにしても相手がどう感じているか、どうすれば伝えられるのか観察することが鍵になります。
テレワークの孤独解消にはオンラインツールの活用を
テレワークで孤独感を軽減させるためにもオンラインツールを活用し、コミュニケーションを円滑に行いましょう。
ちょっとした雑談や相談も気軽に行えるようなコミュニケーションツールがおすすめですが、業務連絡と雑談が混在すると仕事の重要な話がわからなくなってしまいます。内容によって使い分けができるものか、目的に合わせて別のツールを採用することも検討してください。
オンラインサービスを活用する上で重要なのが社内で使用するサービスは統一することです。人によって使うツールが異なると業務中にいちいち切り替えを意識する必要があるため、効率が悪くなります。また、情報の共有漏れの原因にもなるので必ず全社で統一しましょう。
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テレワークでのコミュニケーションはツールを活用し、在宅勤務の孤独感を解消しましょう。